PCSXをMicrosoft Visual C++ でコンパイルしてみる

2005/6/24 作成

準備するもの

PCSX (PcsxSrc-1.5.zip) http://www.pcsx.net
VC6以降 (.NETじゃないやつ) http://www.microsoft.com/japan/msdn/vstudio/productinfo/pricing.aspx
zlib ( http://www.winimage.com/zLibDll/zlib122.zip または http://prdownloads.sourceforge.net/libpng/zlib122.zip?download)

開発環境の構築

Visual C++: 買ってください。
Service Pack: 勝手に当ててください。
zlib: プロジェクトを作成する適当な場所に解凍した後、VC上から.ワークスペース(\projects\visualc6\zlib.dsw)を開いて
ライブラリのリリースビルドを作ります(下記画像参照)。
ライブラリのストア1: zlibソースファイルからzlib.hとzconf.hをVCのインクルードディレクトリにコピー。
先ほどコンパイルしたzlib.libをライブラリディレクトリにコピー。
※私の環境では C:\Program Files\Microsoft Visual Studio\VC98の下にそれぞれ.\include,.\lib がある。
ライブラリのストア2: PCSXのソースファイルの.\Win32ディレクトリから libintl.hとgnu_gettext.libを前述のようにコピー。

PCSXのビルド

PcsxSrc-1.5.zip をプロジェクトに設定したいディレクトリに解凍します。
次にVC上でワークスペースを開きます(.\Win32\pcsx.dsw)。
メニューの[プロジェクト]->[設定]で"プロジェクトの設定"ダイアログを表示させ、リンクからmsvcrt.libとlibcmt.libを除外するよう指定します。
そして[アクティブな構成の設定]から"Win32 Release"を指定してビルドすれば、普通にリリースビルドが作成されます。

なお、この段階ではまだ問題が発生します。

[Problems]
a.ファイルサイズが大きい
b.デバッグビルドが作れない

[Solutions]
a.についてはgnu_gettext.dllやzlibを動的にリンクするように設定すればいいだけですが、
実行速度の面で特に不利もないし面倒なので各自で考えてください。
b.についてはVC6のデバッグビルドの仕様のためで、一つのヘッダファイルの分岐マクロで定義したものが、
別のソースファイルに継承されないため構文エラーとなることが原因です。

具体的にはPsxCommon.hで変数の型が別名でマクロ定義されている箇所
(↓この部分)を各ヘッダファイルに書き込んでやればOKとなります。


  
    
      // Basic types

typedef __int8  s8;
typedef __int16 s16;
typedef __int32 s32;
typedef __int64 s64;

typedef unsigned __int8  u8;
typedef unsigned __int16 u16;
typedef unsigned __int32 u32;
typedef unsigned __int64 u64;
      
    
  


ついでにPsxCommon.hのマクロ定義も修正します。


  
    PsxCommon.h(修正前:79行目から)
    PsxCommon.h(修正後)
  
  
    
      #ifdef ENABLE_NLS

#include <libintl.h>

#undef _
#define _(String) dgettext (PACKAGE, String)
#ifdef gettext_noop
#  define N_(String) gettext_noop (String)
#else
#  define N_(String) (String)
#endif

#else

#define _(msgid) msgid
#define N_(msgid) msgid

#endif

      
    
    
      #include <libintl.h>
#define _(String) dgettext (PACKAGE, String)
#define N_(String) (String)

その他

#ifdef _MSC_VER_ みたいな分岐部分も外してやると多少デバッグの実行速度が上がるかも。

参考資料

yokota さんの"PCSX を MinGW でコンパイルしてみる" (ソースごと丸パクリしたが消滅) http://members.at.infoseek.co.jp/shirouto_yokota/pcsx.htm

http://yuh.expressweb.jp/ 文責 yuh